子育て世帯向け賃貸マンションに関する座談会を終えて

polkadot / PIXTA(ピクスタ)

フージャースでは子育て世帯向けの賃貸マンションの開発を考えています。
共働きの家庭では、子育てと仕事を両立する必要があり、ある一定の期間とはいえそれなりの負担もストレスも大きいようです。子育てのサポートを必要とするのはもちろんなのですが、それとは別に子育てをする負担からくる精神的なプレッシャーが多く、中にはそのことで不満が募り、イライラしたり、夫婦仲が悪くなったりするというケースもあります。
そこでそうした状況をいかに軽減できるのかについて、皆さんの意見を聞いてみたいと思い、子育て真っ最中の方、また子育てが終わった方、これからの方もからご回答をいただきました。

アンケートの結果は、欲しかった暮らしラボにて「【結果】子育て世帯向け賃貸マンションに関するアンケート(1)」(2024719日掲載)で報告しています。

アンケートでは、子育て期間中最もストレスを感じることは、「子育て期間は自分の時間がない」という人が圧倒的に多く、全体の63.0%がそうだと回答していました。突発的な出来事や子どもが予期せぬ行動を取ったり、子どもから目が離せなかったりするのでしょう。
アンケート結果を踏まえて、75日から計5回にわたって行った「子育て世帯向け賃貸マンションに関する座談会」の内容を紹介します。

 

座談会の目的
子育て世帯の負を知ることで、その負を賃貸マンションで解決できないか考え、当事者の意見を直接お聞きし、解像度を上げたい。

実施日
202475()76()77()

参加者
30代~60代の男女、計11名の方にお話を伺いました。

座談会の要約
子育て期の「負」というのは、ストレスが溜まって夫婦が不仲になるということを想定していましたが、今回の座談会の参加者には、その「負」の状態の参加者はいませんでした。
逆に、専業主婦の方がストレスは多いようで、共働き夫婦の「負」は違うところにありそうです。

・1人の時間は必要か
専業主婦の方が、希望は切実でした。共働きの人は、働く時間は子どもから離れているので1人の時間を少なからず持つことができていました。これは、働くことの良い点とも言えそうです。

・マンション内での親同士のコミュニケーション
コミュニケーションはあった方が良いとは思っていましたが、あまり深入りしないようにしたい。そこで何かあると、その後コミュニケーションが取れなくなる。または孤立する可能性があるので気をつけているということでした。

・マンション内に子どもが安心して遊べるスペースがあったら良いか
この点は概ね賛成の意見が多かったです。分譲マンションでは小学生に占領されていて使えなかったというコメントもありましたが、築年数を重ねるにつれて子どもの年齢が高くなり、こうした共有スペースの使い方も築年数とともに変化しそうです。

・これらのサービスの費用は
事前アンケートと同じく、1万円以下という声が多かったです。特殊なサービスが外の人より安く使えて外部の料金より安くなるなら基本料として払い、合計が一般のサービスの料金と同等なら不要という意見がありました。

・辛かったことや悩み
突発的なことが起こった際の悩みが多そうです。これらは、仕事復帰に関係なく誰にでもいえることかもしれません。

・ご主人の育休取得
ご主人が育休をとった方は一人だけ、かつ1週間だけでした。休日は家事・育児に協力している家庭がほとんどでしたが、まだまだ子育ては女性が担っているという方が多いようです。

 

座談会を終えて
事前のアンケートから多くの人が子育ての時期は時間がない、ゆっくり一人の時間が欲しい、という課題を持っていると考えていました。実際にインタビューをしてみると、働くお母さんより、家で子育てをしているお母さん(お父さん)の方が圧倒的に一人になる時間が欲しいという意見が多かったのが新たな発見でした。働いて大人や社会と交流の時間を持つことは、ある意味でストレスのない時間なのかもしれません。対応の良い保育園に子どもを預けられるかも、重要な要件だと考えられます。
仮説では、働きながら子どもの面倒を見るお母さん(お父さん)が一人になれる時間をつくるために、託児機能は重要だと考えていたのですが、それよりも急な残業の時のお迎えなどの代行や、マンション内で子どもが親の帰りを待つ間に遊んでくれる場所が必要など、いくつかのアイデアも得ることができました。またマンション内の交流については、あまり深入りせずある程度の付き合いにとどめたいという意見もあり、重要な情報は昔から知っている同級生や会社の先輩・同僚から聞くという声も多くありました。
未就学児よりも小学校低学年の時の方が、学校が早く終わることや、習い事や学童への送り迎えなどの問題が多く出ていました。また、この頃になると、賃貸マンションではなく分譲マンションを購入する人が多そうです。