作り置きを考える

pearlinheart / PIXTA(ピクスタ)

前回のコラムでは、料理の出発点、献立の立て方について考えてみました。今回は、作り置きと下ごしらえについて考えてみたいと思います。

以前フージャースで実施したアンケート「食生活と料理に関するアンケート」では、自宅での食事に求めていることは、「栄養バランス」68.7%と最も高く、「価格(1食あたりの費用)」47.5%、「すぐ食べられる(手軽さ)」40.4%、「量(1品当たりのボリューム)」27.3%、「自分で選んだ新鮮な食材を使える」24.2%、「出来立てであること」21.7%という結果でした。
こういった要望を叶えてくれるのが「作り置き」です。栄養のバランスがとれ、価格が抑えられ、しかも帰宅してすぐに食べられる手軽さががある作り置きは、どの家庭でも広く取り入れられています。急いで帰宅して冷蔵庫に作り置きがある安心感は、お子さんがいる家庭なら、どなたでも経験があるのではないでしょうか。

 

どう食べたいかと、どこまで作るか

作り置きを考える上で大切なのは、献立に対して、「どう食べたいのか」と「どこまで作るのか」です。例えば、天ぷらは冷凍して解凍しても食べられますが、それが一番美味しい姿かといえば、そうではありません。食べる瞬間の一番美味しい姿を想像すると、事前にその食材にどこまで手を加えていいのかが見えてきます。全て最後まで作ってしまうことだけが、作り置きではないのです。
玉ねぎを買ったら、くし切りにしておく、みじん切りにしておくと、都度主菜に合わせてすぐに使うことができて便利です。この他にも、お肉や魚を買ってきたら、食べる分量に分けておく。余力があれば調味液につけ込んでおく。野菜も皮を剥いて、出来れば切って茹でておく。これだけでも、平日の調理の時間はぐんと減りますし、経済的な無駄も減ります。下ごしらえも、立派な作り置きです。

 

和食は味方

私たちが日々食べている和食には、作り置きが前提となっているものがたくさんあります。漬物は長期間保存することが前提で作られていますし、煮物も煮汁を入れた状態だと冷蔵庫で3〜4日持ちますし、冷凍保存も可能です。このほかにも、味噌汁や乾物はお湯があれば、すぐに出来て、インスタント食品のような手軽さがあります。実は和食は、忙しい私たちにとって時短の味方なのです。

忙しい毎日の中で、私たちはついつい時短や楽をすることに目が行きがちです。けれど、そもそも料理を作ることは、とても楽しいことです。自分で考えて、食べる瞬間に向けて試行錯誤して料理を作ることは、とてもクリエイティブな行為です。そのせっかくの機会がノルマのようになっては、もったいないこと。時に作り置きも大切ですが、構えず、難しいことはせず、まずは料理を楽しんでみてください。それが一番の時短かもしれません。

 

ミニアンケート

常に作り置きの食材をストックしていますか。

お答えいただくとこれまでの結果が表示されます。

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