シェアハウスについて
シェアハウスが日本でその姿を見せたのは2010年ごろ。ミサワホームのAプロジェクトの展覧会にて、建築家の猪熊純さんと成瀬友梨さんという2人の建築家ユニットの発表がきっかけでした。
「成瀬・猪熊建築設計事務所―シェアハウスから始まる心地良い共用空間づくり 猪熊純さん 成瀬友梨さん」(2019年8月2日掲載)
もちろんそれまでいくつかのシェアハウスはありましたが、外国人用などで、本格的に日本の文化として生まれたのは、彼らが初めてだと思います。
それまでの自分一人でものを持つという意識から離れて、そこでは明確に「シェア」という、誰かとものや空間を共有することによる豊かさがあるという考え方が、提案されたのです。それ以降、シェア自動車、シェアサイクルなどシェア文化が大きく注目を浴びていきました。
もともと欧米人の文化で、若い人はアパートなどシェアをして住むというのはごく日常的に行われていました。しかしシェアいう考え方が、ものを無駄にしない、また所有しないという大きな時代の流れを作りました。経済においても、共有経済圏という言葉が生まれました。共産主義とは違って資本主義を経験した社会がたどり着いた社会の未来かもしれません。それは成熟社会にいち早く突入した日本の社会背景が理由の1つです。ですから、現代のシェアハウスも日本が作り出したものとも言えます。
2000年代初頭から始まったシェアハウスは、その後発展して、高齢化や少子化、単身者など、ライフスタイルの多様化を受けて、住む人が1つの大きな家族という考え方に辿り着きました。血縁よりも一緒に住む、そのコミュニティそのものが大切であり、お互いを尊重しながらもお互いをサポートしていくというコミュニティのあり方もさし示してきました。
フージャースでは、過去にもシェアハウスを研究してきましたが、このシェアハウスをもう一度見直して、さらなる未来の社会のあり方として提案していこうと考えています。
「シェアハウス vol.01―多世代型シェアハウスについて」(2018年8月23日掲載)
「シェアハウス vol.02―働くためにあったら便利な共有空間」(2018年9月10日掲載)
「シェアハウス vol.03―齢者と若い学生が一緒の場所に住む」 (2018年10月18日掲載)
「シェアハウス vol.04―コレクティブハウスに子ども世帯と親が別々に暮らす」(2018年11月15日掲載)
「シェアハウス vol.05―複数の拠点で暮らす、または複数の部屋をもつ」 (2018年11月22日掲載)
みなさんは、シェアハウスについてどう思いますか。
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