博多駅徒歩5分! もっと時間を愉しむ
「デュオヴェール博多駅」

【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手のこだわりや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができない裏話に迫ります。フージャースのモノづくりに対するこだわりの姿勢を、感じていただけるかと思います。


博多駅徒歩5分での暮らしを考える

「デュオヴェール博多駅」は、博多駅から徒歩5分のところに建つマンションです。立地は申し分ありません。その恵まれた立地に加えて、どんなモノづくりをすればより良い暮らしを提供できるのか考えました。そこから出てきたキーワードが「時間」です。また、これまでのデュオヴェールとは街のイメージが異なる立地のため、この場所に合ったデュオヴェールのデザインにする必要性も感じました。この立地だからこそのモノづくりのポイントを、建築担当者が語ります。
用地仕入れ担当のこだわりは、欲しかった暮らしラボの「老朽建物の密集地を一新「デュオヴェール博多駅」」(2023年10月13日掲載)で紹介しています。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
建築本部 河合 甫乃香(かわい ほのか)

今回のマンションは「博多駅5分」という立地が最大の特徴です。そこでの暮らしを考えたときに出てきたキーワードが「時間」でした。スカイテラスやラウンジなど、「時間を愉しむ」空間作りを心掛けました。



「時間を愉しむ」デザイン

博多駅徒歩5分以内に新築分譲マンションが建つのは17年ぶりのこと。中々このような立地に住むことはできません。この場所に住むだけでも、通勤や日々の生活に時間のゆとりが生まれることが想像できます。また、この物件作りに取り組んでいたのは、世間がコロナ禍での生活スタイルに慣れてきた頃でした。以前より家での時間が増え、各々が自分のことや時間の使い方について見直し始めていました。
これらのことから「時間を愉しむ」をコンセプトに据え、ここに住む方にどんな時間を提供するのか、ここに住むことで得られるより豊かな時間の過ごし方をいかに体現するか、を考えながらモノづくりを進めました。
そのコンセプトからイメージしたのが「リゾート」です。リゾートというと椰子の木が生えているような場所を想像されるかもしれませんが、元々「再び」を意味する“re”と、フランス語で「出かける」を意味する“sortir”が合わさってできた言葉で、「何度も通う場所」を意味します。今回目指したのはそういうリゾート感です。 何度も通いたくなる、都会にあるライフスタイルホテルのような、便利な立地なのに時間の流れをゆったり愉しめるマンションにしようと考えました。

また、デュオヴェールは女性のために生まれたコンパクト分譲マンションで、設備やデザインも女性のことを考えて作られています。同じく立地も女性目線で考え、住宅街で明るくて安全性が高そうなところが定番でした。しかし本物件はターミナル駅にかなり近く、従来の女性向けのデザインにこだわりすぎると街との親和性がなくなってしまうと考えられました。そこで、これまでの安らぎや邸宅といったイメージは残しながら、女性にも男性にも受け入れられるバランスを考えたモノづくりをしています。

 

時間を愉しむラウンジ

時間を愉しむ場として作った空間の一つがラウンジです。
ゆったりと何もしない時間を想起させるものとして、外にはリクライニングチェアを置きました。室内は木調の天井やタイルや石の壁といったさまざまな素材を使い、テイストの異なる家具を設置しています。一見バラバラに見えても、皆がそれぞれ好きなものを持ち寄ったら、結果的に一体感のある空間となったような、ライフスタイルホテルのような空間に仕上げています。
天井のデザインにも工夫をしました。通常は天井の存在感を無くして開放感を生み出すことが多いのですが、今回は天井の高さが3メートルほど取れたので、木調にした天井にライン照明を通しています。その照明を壁にも繋げてラインを見せることで、空間の広がりを感じられるデザインにしました。

また、ラウンジまでの通路は、プライベート感を大事にし、旅館の通路を思わせるような細いアプローチと石畳の通路で、都会の喧騒を忘れさせるような落ち着きのある空間にしました。

 

時間を愉しむスカイテラス

同じくリゾート感を表現しながら、時間を愉しむ場として作ったのが、屋上にあるスカイテラスです。共用施設となるこの場所は、視界を遮る柱のない開放的な空間が広がっています。
当初は、最上階の住戸と住戸の間に空間を作って、囲われ感のあるテラスにする案がありました。しかし、都心で空を楽しめる空間は中々ないということで、住戸をフロアの片側に寄せる現在の形になりました。とても気持ちのいい空間になったので、開放感のある配置を選択して正解だったと感じています。
スカイテラスにも家具を多めに置き、リビングのようにゆったりとくつろげるようにしました。バーのような落ち着きのある雰囲気にするため、照明を低めの位置にして明るさを調整しています。

マンションの最上階というと、一般的には最上階の住戸のバルコニーを広げる間取りが多いのですが、みんなが時間を愉しめる住まいとなるように今回は共有のスペースにしています。内覧会に来られた方でも、スカイテラスは最上階の住人のものだと思っていた方もいらっしゃいました。共有施設であることを伝えると「使うのが楽しみ」と仰っていただけたので、作って良かったと改めて思いました。

 

博多の街をイメージした外観

外観は左右で全く表情が異なるデザインにしました。左側は木調のタイルをふんだんに使い、各階にボリュームを持たせています。一方右側は、ガラスの手すりに白のスラブを組み合わせ、白のラインが映えるスッキリとしたデザインにしました。土地の形状による制限のため真ん中で凸凹が出る建物形状になりましたが、逆にその点を活かして左右で表情を分けました。これは博多の街の印象から発想したものです。博多は人の交流や物流も盛んで、文化的な豊かさを持ち合わせた街です。いろいろなものが共存する豊かさを、全く表情の違う素材を組み合わせることで表現したいと思いました。

※スラブ:マンションの床を支える板状のコンクリート


IOTでより豊かな時間を得る

博多駅徒歩5分という立地だけでも十分ではありますが、よりゆとりある時間を手に入れられるように、全戸にIOT(家電などあらゆるものをインターネットに接続することで生まれるサービスの仕組み)を装備しました。IOTを取り入れて今までの生活スタイルを少し変えるだけで、より一層豊かな時間を手に入れることができます。例えば、自宅の半径500m以内に近づくと自動でお風呂を沸かし始められたり、エアコンが自動で付いたり。内覧会の際にこういった使い方を説明したところ、多くの方に喜んでいただけました。

デュオヴェールは女性のために生まれたコンパクト分譲マンションですが、本物件は女性にも男性にも受け入れられるデザインを取り入れた結果、性別を問わずに選んでいただけた物件となりました。セカンドハウスとして購入された方も多く、安らげるおうちと快適なホテル暮らしの間をイメージしたモノづくりが評価いただけたと感じています。都市の中のデュオヴェールの在り方にチャレンジした物件として、またひとつ新たな形を作れたのではないかと思います。

 

デュオヴェール博多駅
※こちらの物件は完売しました

所在地:福岡県福岡市博多区博多駅東一丁目
交通:JR「博多」駅 徒歩5分、福岡市営地下鉄空港線「博多」駅 徒歩7分
総戸数:80戸
階数:13階建て
竣工:2023年6月