住まいの新しい価値を体感できる「銀座レジデンスギャラリー」
【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編
欲しかった暮らしラボでは、さまざまなテーマでアンケートや座談会を開催し、お客様の声を聞いています。皆さんの悩みや求めることを伺い、新しい商品やプランの開発に生かしてきました。
「フージャース銀座レジデンスギャラリー」では、そこから生まれた商品など、フージャースのモノづくりに対するこだわりを実際に見ていただくことができます。今回はそこに展示されている「Arauラック」と「fitキッチン」について、商品が生まれるまでの過程やこだわりのポイントを担当者が語ります。
担当者の紹介
フージャースコーポレーション
商品企画部商品デザイン課
宮武 愛(みやたけ あい)
アンケートや座談会では暮らしに関わるさまざまなことをお客様に伺っています。お客様の声を形にし、その形になったものに対してもさらに意見を伺って、お客様の欲しかった暮らしの実現に向けての検討や改良を繰り返しています。
洗濯のお悩みを解決する「Arauラック」
洗濯は、洗うところから収納まで多くの工程があったり、目につく場所にあると生活感が丸出しになってしまったり、悩みを多く聞く家事の一つです。そんな悩みを解決する方法を検討して形にしたのが「Arauラック」です。洗濯にかかる時間を少しでも短く、効率化できるようにと考えました。商品名は「洗う」と「楽/ラック」を組み合わせています。
Arauラックのポイントは7つあります。
①上棚(可動)
自分の使いやすい高さに調整できる棚を設けました。上部の空きスペースも収納として有効活用できます。
②ハンガーパイプ(可動)
「夏は暑く冬は寒いバルコニーに長くいたくない」というお客様の声から、洗濯物をハンガーにかける作業を室内でできるように、ハンガーパイプを設けました。
洗濯物を洗濯機から出して、その場で仮干しをし、まとめてバルコニーへ持っていくことができます。
③コンセントA
アイロンやハンドスチーマーでハンガーパイプに掛けたお洋服のアイロンがけが可能です。ミニ洗濯機を置いても。
④カウンター
洗濯物を畳んだり、仕分けをしたりするのに便利なカウンターです。小物類にアイロンをかけるためにアイロン台を出すのは面倒。カウンターに卓上アイロン台をおけば、コンセントと水も近くにあるので、スムーズにアイロンがけができます。
⑤ランドリーボックススペース
ランドリーボックスの置き場に困っている方が多くいらっしゃったので、家族4人分用のランドリーボックスが入るスペースを設けました。人気メーカー複数社のサイズを研究して寸法を決めています。
⑥可動棚
カウンター奥のちょっとしたスペースも収納として有効活用。出し入れを頻繁にしないストック品置き場に最適です。
⑦コンセントB
洗面室は熱や湿気がこもりやすい場所です。除湿器や扇風機を利用しやすいように、カウンター下にもコンセントを設けました。
Arauラックの原型となったのが、一棟リノベーションマンションのデュオリスタ松戸常盤平で採用した「Bigランドリー」というプランです。このプランでは、洗濯の「干す」「畳む」「しまう」のアクションを洗面室に集約し、さらに洗面室とクロゼットを接続させることで、洗濯物をすぐに出し入れできるようにしました。アンケートや座談会で伺った洗濯に関する悩みに対し、解決策を一つずつ形にして、動線まで考えて設置したものです。
お客様に喜んでいただけたプランでしたが、広さにゆとりのある物件だったからこそ実現できたものでした。機能性は保ちながら、もう少しコンパクトなマンションでも設置できるように考えてできた商品が「Arauラック」です。
コンパクトにしたとはいえ、現在まで実際に設置をした物件の広さは75㎡以上。首都圏では特に、コンパクトなマンションが主流になると考えられるため、70㎡以下の物件にも設置できるように、今現在さらなる検討を重ねています。
マンションがコンパクト化すると、洗面所もそれに比例して縮小され、脱衣したり洗濯機を置いたりというただの場所となりがちです。そこを「Arauラック」にすることで、ただの場所ではなく、洗濯にまつわるさまざまなことができる機能的な場所に変えられると考えています。
新しいキッチンの選択肢は3つ
フージャースのキッチンに共通するコンセプトが「家族とつながるキッチンのあるダイニング空間」です。これまでは、キッチン=調理、ダイニング=食事、リビング=くつろぎ、と区別をするのが定説でしたが、欲しかった暮らしラボで行ったアンケートや座談会から最近はその区別がなくなりつつあると感じています。家にいる時間が増え、共働き世帯が増えている今、LDK全体を「くつろぎの空間」として捉え、それぞれの場所が「それぞれ種類の異なるコミュニケーションを取る場所」となっていることがわかりました。このことから、キッチン、リビング、ダイニングが一体となった空間作りが必要だと考えました。
その中でも大きな役割を占めるキッチンを中心に検討を重ね、一般的な横向きの対面キッチンを縦に配置するプランを考えました。キッチンを中心に回遊動線を作ることで、複数人でキッチンに立ちやすくなったり、コンロ周りに壁がないことで開放感が生まれたりします。
この縦型のキッチンをベースに、さらに3つのプランを考えました。
1.enキッチン
キッチンを囲うように大型のカウンターを設置し、キッチンダイニングでのコミュニケーションに特化したプランです。奥行きのあるカウンターは、子どもが勉強したり、アイロンがけなどの家事をしたり、さまざまな使い方ができます。主な特徴は次の3点です。
①オープンキッチン:家族とのコミュニケーションをとりやすい形状。
②大きなカウンターテーブル:食事スペースとワークスペースを、分けて使うことが可能。
③ 回遊性:キッチンの周りを回遊できることで、快適な動線を確保。
enキッチンは、「家族のコミュニケーションをつなぐ「enキッチン」」(2022年9月30日掲載)の記事で詳しく紹介しています。
2.moreキッチン
通常の1.5倍の大きさの食器棚が設置可能な大容量収納が特徴。コロナ禍で家にいる時間が長くなったことで、調理家電が増えたり、食料品の備蓄が増えたり、キッチン周りの収納が足りないという声を聞くようになりました。その声に応えたプランです。
enキッチンの特徴に加えて、主な特徴は次の2点です。
①収納量アップ:幅2.5メートルの食器棚を標準設置し、通常の1.5倍の収納量が確保。
②LDと洋室も見渡せるキッチンポジション。
3.fitキッチン
キッチンを縦に配置すると、リビング・ダイニング側の空間が狭くなるというデメリットがあります。それを解消するために作ったのがfitキッチンです。シンクとコンロを分けて2列に配置することで、複数人での作業のしやすさや回遊動線はそのままに、よりコンパクトなアイランドキッチンを実現しました。
このプランの1番の特徴は作業効率の良さです。キッチンでは、シンク、コンロ、冷蔵庫の3つを繋いだ動線(ワークトライアングル)が整った三角形であるほど作業効率が良いことがわかっています。fitキッチンのワークトライアングルは正三角形に近く、理想的な形と言えます。
コンパクトながら収納量が豊富であることもポイントです。主な特徴は次の6点です。
①ワークトライアングルの動線:シンク→コンロ→冷蔵庫の距離のバランスがよい作業動線がよい。
②回遊動線:対面キッチンと違い、キッチンを中心にした回遊動線。
③LD空間確保:キッチン本体の長さが短くなることで、LDのスペースを広く確保。
④開放的で実用的:シンク側はアイランドで開放感があり、ガス側は壁面設置で油跳ねが防げる。
⑤収納量:二列にしたことでキッチン総サイズが大きくなり、キッチン収納量がUP、ゴミ箱スペースも確保。
⑥調理スペース:シンク側・加熱機器側それぞれに作業スペースができ、広い調理スペースを確保。
3つのキッチンはそれぞれ異なるメリットがあり、想定されるお客様や居室の広さに合わせてベストなプランを選んでいきたいと考えています。どれも、「夢見るアイランドキッチンが実現できる」「夫婦一緒に料理ができる」と好評ではあります。
enキッチンを設置したマンションはすでに販売しており、購入の動機の一つにもなっていたようです。通常の対面キッチンより価格は高くなるのですが、回遊動線などに魅力を感じて選んでいただいたお客様が多くいらっしゃいました。同じ物件でmoreキッチンも選択できるようにしたところ、キッチン周りの収納力やスッキリ感を求める方にはこちらを選んでいただいています。
fitキッチンを設置したマンションでは、シンク横とコンロ横それぞれに作業スペースがあることや、動線がよく作業効率が上がると、評価いただいています。
暮らしの価値をお届けする場
銀座レジデンスギャラリーでは、今回紹介した「Arauラック」と「fitキッチン」を実際に見ていただくことができます。ここではありきたりのプランを見せるのではなく、フージャースのものづくりに対する考えやこだわりまで体感していただけるような空間づくりに努めています。私たちが作りたいのは、画一的なマンションではなく、プラスαの価値がある住まいです。ぜひ足を運んでいただき、マンションでの暮らしの可能性を感じていただければと思います。
総合マンションギャラリー
「フージャース 銀座レジデンスギャラリー」
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所在地:東京都中央区銀座2丁目6番4号 竹中銀座ビルディング3階
交通:東京メトロ有楽町線「銀座1丁目駅」より徒歩1分