新築なのにリノベーション風の
「デュオフラッツ板橋本町」

【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手のこだわりや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができない裏話に迫ります。フージャースのモノづくりに対するこだわりの姿勢を、感じていただけるかと思います。

 

他にない新築賃貸マンション

都営三田線「板橋本町駅」から徒歩8分のところに位置する「デュオフラッツ板橋本町」。この物件の一番の特徴は、新築なのにあえてリノベーション風のデザインをしたことです。そのポイントを物件担当者が語ります。

建築担当の紹介
フージャースアセットマネジメント
松尾 彩乃(まつお あやの)

より都心に近い駅の物件に負けないよう、選ばれる“なにか”を持たせた物件にしたいと考えました。

フージャースアセットマネジメント
志智 優奈(しち ゆうな)

間取りやデザイン面、機能面において、細部までこだわりを詰め込みました。

フージャースアセットマネジメント
石原 大輔(いしはら だいすけ)

リノベーション事業のノウハウを生かして、これまでにない賃貸マンションを作りたいと考えました。



あえて選ばれる物件にするために


板橋本町駅も本蓮沼駅も、板橋区の中でも非常に人気のある駅ということではありません。賃料は高くなるものの、人気があるのはより都心に近い駅です。板橋本町駅だけで見ても、もっと駅近の物件はたくさんあります。都心や最寄り駅への距離という点では劣る立地のため、いくら新築という利点があっても、よくある普通のマンションでは選んでもらえません。都心や最寄り駅から離れても「ここに住みたい!」と思われる特徴的な何かを作る必要があると思いました。
元々、新築マンションはどうして画一的なデザインばかりなのかという疑問もあったため、他のマンションでやっていないことをやろうと思いました。そこで思いついたのが、これまでやってきた事業の知見も生かせるリノベーション風のデザインです。コンセプトは「新築リノベーション〜欲しかった他にない暮らし〜」。リノベーションは、古いものを改修して価値を高めることのため、中古物件に対して行われるのが一般的です。フージャースでは、マンション一棟まるごとリノベーションした物件や、立地の良い中古物件をリノベーションした住戸の販売など、以前から多くのリノベーション事業に取り組んでいます。リノベーションでよく表現する間取りやデザインは、新築の物件にも生かせるのではないかと思いました。

 

新築×リノベーション風のデザイン

リノベーション風のデザインを、居室内のさまざまな箇所で取り入れています。見た目のデザイン性だけでなく、機能性も兼ねているのがポイントです。
天井は貼らず打ちっぱなしにしました。デザイン性がアップするだけでなく、約2700㎜の天井高が得られ、部屋を広く感じることができます。
天井に設置した、ハンモックやハンギンググリーンを吊り下げられるアンカーボルトも、リノベーションでよく見る設備です。
キッチンはタイル張り、スイッチはあえてステンレスのものを採用するなど細部にもこだわりました。
LDKと寝室の間に設けた室内窓は、見た目の可愛さだけでなく、寝室に明るい光を取り込み、部屋全体の開放感を演出してくれます。
他にもあえてオープンにしたウォークインクロゼットやガラスを使った建具など、どれも他の新築マンションではあまり見ることのないデザインを取り入れました。

 

新築×リノベーション風を実現するために

新築におけるリノベーション風のデザイン(特に天井打ちっぱなしなど)はあまり実例がないため、ゼネコンさんと足並みをそろえることにも苦労しました。
細かにコミュニケーションを取ることで、こちらのモノづくりやこの物件への想いが伝わり、徐々にゼネコンさんと足並みがそろっていく感覚がありました。
現場で急遽造作してもらったり、難しい要望にもこたえていただいたり、現場の方が私たちと同じ方向を向いて協力してくれたこともこの事業の成功の大きな要因となったと感じています。

もう一つ苦労したのはコスト面です。デザイン性をアップさせようとすると、どうしても費用がかかってしまいます。なるべくコストをかけないようにするため、素材を一つひとつ検討するなど、時間と労力を惜しまないことで費用を圧縮することに成功しました。例えば、壁紙は新しい取引先も視野に入れて、量産品の中でも味わいのあるものを選んだり、タイルは売り切りのものを合わせて使用したり、デザイン性を保ちながらコストを抑える工夫を重ねました。

 

デザインだけじゃない、需要はあるけど供給の無かった間取りへのチャレンジ

リノベーション風のデザインにするだけでなく、間取りにもこだわっています。周辺の物件の状況を調べると、単身向けとされる1Kや1DKは飽和状態、逆に2人暮らしのできる1LDKや2LDKは築古の物件ばかりで、特に2LDKは50㎡以上、20万超えと選択肢が少ない状況でした。
一方でヒアリングや競合調査を進めると、カップルやDinksからのニーズが多いことがわかりました。
本物件では、需要はあるけど供給の無かった「2人暮らしを想定した間取り」とすることにしました。
・2人でも暮らせる約38平米のゆったり1LDK
・広さより間数がほしい2人向けに約46平米の2LDK
と2つの間取りを用意しました。

どちらも決して広いわけではありませんが、2人分の荷物の入る広い収納や、洋室にはダブルベットが入るようにしています。
また、一般的に評価の高いカウンターキッチンではなく、あえて壁付けのキッチンを設置して2人で過ごすLDK空間を広げました。この点も、これまでのリノベーション物件のノウハウからの発想です。空間だけではなく、こだわりのタイル張りキッチンも見えるようになり、デザイン面でも一役買っています。

 

入居を決めたお客様のアンケートを拝見すると、デザイン性が決め手だったという方が半数以上でした。お客様自身の予算をオーバーして入居された方に限定すると、8割ほどの方が居室内のデザインを理由に入居を決めています。他の賃貸マンションにはないデザインや機能を持たせることで、そこに価値を見出してくれる方がいる、「駅の魅力を物件力で払拭する」という想定が現実のものとなり、私たちのこだわりがお客様に伝わったようで嬉しく思います。
また、内見から申込へと繋がった割合が50%を超えていることや(通常だと40%程度)、成約した仲介会社の中にはリピーターとして何件もお客様を紹介してくれる方が多いことからも、こだわったデザイン面や間取りが高く評価いただけたと感じています。
今回のチャレンジで、新しい新築の形を作ることができたと思っています。今後も物件の建つエリアやニーズに合わせたアレンジをしながら、他のマンションにも展開していきたいです。

 

デュオフラッツ板橋本町
https://www.duo-flats.jp/residence/detail_itabashi-honcho.html

所在地:板橋区清水町78番
交通:​​都営三田線「板橋本町」駅徒歩8分、都営三田線「本蓮沼」駅徒歩4分
総戸数:26戸
階数:14階建て
竣工:2023年8月