行き先がわからない航空券
人はなぜ旅に出かけるのでしょうか?
北海道大学の山田義裕先生は、その理由を「現代において、唯一偶然性を作れるのは旅である」と言います。
仕事や学校、マルチタスクを抱えながら生きる私たちは、日々携帯電話やパソコンによってスケジュールを管理しています。それは、マス目が埋まった人生ゲームのようで、生活を楽しむというよりも、こなすという感覚に近いのかもしれません。そんな決まりきった日常から解放してくれるのが旅です。
ある航空会社では、通常よりも少ないマイレージで往復の航空券と交換できるサービスがあります。この航空券の行き先は、旅の直前まで知らされません。この航空券が人気だというのです。
直前まで行き先がわからないですから、偶然に身を委ねて旅を楽しむしかありません。もし辺鄙な場所への航空券だったとしても、そういった旅を受け入れながら楽しむことになるでしょう。
この航空券が人気になった理由は、行き先がわからない航空券によって、旅が本来持っている目的を持たない偶然性が誘発されているからでしょう。
皆さんも、このチケットを使って、目的のない旅に出てみませんか?
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