複数拠点に住むということ
都市と田舎や、複数の都市で暮らすということについて、みなさんはどのように思いますか。最近はシェアハウスなどで暮らす人も増え、住まいにかかる費用も安くなってきました。そうしたこともあいまって、複数の拠点を持つことへのハードルも下がり始めています。
どこに暮らしのウェイトを置くか
週末を田舎で暮らしたい。そう思う人は多いかもしれません。しかし別荘がそうであるように、週末だけ都会を離れて暮らすのは、意外に長続きしないものです。その場所に日常の営みが必要なのかもしれません。週5日都会で働き、週2日田舎で暮らすというのは意外と忙しく、田舎に行っても色々な作業があるものです。せめて週4日都会で、またはテレワークなども利用して週3日都会で、週4日田舎というような暮らし方が理想かもしれません。日常の営みとは、その場所でのコミュニティにおける自身の役割とも言えます。町内の掃除当番であったり、回覧板が回ってきたり、町内会の集まりに出たりというような勤めがあるのです。こうした日常に参加できないと、いつまでもよそ者になってしまいます。休日を過ごすのでなく、そこで暮らすということがなければ長続きしないのかもしれません。
複数の都市で暮らす
一方都市と田舎ではなく、都市と別の都市で暮らすという人もいるでしょう。その場合は先の例のように、地域とのつながりや町内での勤めは必要ないかもしれません。それよりも、なじみの店や、その街の好きな場所で過ごしたり、中には一人の時間をあえて楽しんだりという人もいるようです。一人といっても、孤独になるという意味ではなく、今までのコミュニティではない新しい人との繋がりや、違う自分を表現してみたいというのもあるかもしれません。時々ひとり旅に出たくなる時があるものですが、それと少し似ているかもしれません。知らない街で知らない人と過ごす中で、違う自分を演出してみたいとも思うかもしれません。
誰と、どこで、どのように暮らすのか
複数の場所で暮らす場合、どこで暮らすのかと同じように重要なのが、誰と暮らすのかです。夫婦で暮らすのか。子供や両親も一緒なのか。どちらかというと仕事中心だった日本の社会で、家族や夫婦で過ごす時間を大切にすることの重要さに、気づいてきたようにも思います。とくに長寿になりつつある日本において、リタイヤ後の夫婦で過ごす時間は、ますます長くなっていきます。複数の場所で暮らすことで、新しい仲間との出会いや、趣味の時間、また自然との距離感をどう楽しむのか、場合によっては新たな仕事へのチャレンジもあるかもしれません。
働き方について
現在勤めている企業でテレワークを駆使しながら、こうした暮らし方にチャレンジするのもあるでしょう。最近では毎日出社しなくてもよい企業も現れています。しかし一方で思い切って転職したり、起業したりする人もいるかもしれません。特に子供が巣立っていれば経済的にも楽になり、自分のキャリアを社会に還元するような、生きがいを求めて新たな働き方を模索するというのもありそうです。私たちは長いこと大きな社会の仕組みの中に組み込まれて働いてきました。経済の発展によって豊かさを享受してきました。しかしそれだけでは幸せではないことも理解しつつあります。
人とのつながりや感謝されること、自らの成長や自由、そして自分らしさというものを追い求めています。複数拠点で暮らすことには、そうした「幸福」への希求の現れなのかもしれません。
みなさんはどう思いますか。どこで、そして誰と、どのように暮らし、どのように働きたいでしょうか。ご意見お寄せください。
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