ツカノマの幸せ

sakai / PIXTA(ピクスタ)
「ツカノマ」という言葉から、どのようなことを想像されますか。ほとんどの人は「束の間」「わずかな時間」「ほんの少しの間」ではないでしょうか。今回は、日常の暮らしの中でのツカノマの幸せについて考えてみました。

コロナ禍は1年以上も続き、緊急事態宣言の解除も延び、出口の見えない日々を過ごしている中で、日常は1年前と大きく変化しています。
在宅勤務や外出自粛などで、家で過ごす時間が増えた家庭では、仕事をするスペースがない、小さな子どもがいるので仕事がはかどらない、家族は静かに過ごさなければならない、などのストレスも表面化しているのではないでしょうか。都会で暮らしていると、一人ずつ広い個室を持つことは困難です。部屋は狭くてもそれぞれの過ごし方が自由になる空間があれば、快適さはきっと違うはずです。そんなコロナ禍の生活をより豊かにするために、フージャースでは若手メンバーが中心となり新しい住宅のプランを考えています。

過去のコラム「日常の見直し 居心地について考える」(2020.12.18掲載)にも書いたように、人は居心地のいい空間を求めています。スマホとコンセントがあれば、どこにいても自分だけの世界にのめりこめる時代ですが、家の中でも、家族の気配を感じつつ、一人になれるスペースがあれば、より快適な空間も実現するのではないでしょうか。

マンションの間取りで書斎ルームを設けたプランを時々見かけますが、その空間がより多目的で、収納でもあり、家事スペースや趣味の部屋でもあり、子どもの遊び場にもなるような場所であればどうでしょう。子どものころに憧れた秘密基地や、ドラえもんの押し入れなどのこっそり隠れて遊べる空間。一日中趣味に没頭できる空間、主婦の家事室。もちろん仕事や勉強もできます。こんな一つの空間で何役も果たすスペース、それを私たちは、「ツカノマ」と名付けました。

「ツカノマ」に込めた想いは、記憶に残るほどでもない、ちょっとした幸せの積み重ねが、日常を充実させ、気づけば幸せと感じられること。今日のプレゼンは成功だった、趣味の絵が完成した、ぼんやり物思いにふけった、自分だけの空間がある、そんなちょっとした幸せを、束の間感じられる空間です。
「ツカノマ」の中で仕事をする人は、家族を気にせず仕事に集中でき、「ツカノマ」の外にいる人は、中で仕事をする人を気にせず家事ができる。また、子どもたちが「ツカノマ」で遊ぶことで、リビングで仕事をしているお父さんの邪魔をしない。趣味の部屋として使っているお父さんやお母さんの様子を見て、子どもたちもその趣味に興味を持ち、共に楽しむ。このように、個になれる空間でありながら、家族とつながり、みんなが日常の中で幸せを共有できる場にもなって欲しいと思っています。

この「ツカノマ」は、大型収納スペースを活用し、居室として変更するのですが、この程よい狭い空間が、とても落ち着く空間になります。
狭くて、ほんのり暗い空間は、程よく落ち着いて没頭できる空間になるのです。

「ツカノマ」の「マ」は、部屋であることも表しており、居室としての設備も整っています。入り口の引き戸は、ガラス部分があり光も取り込みながら周囲の部屋とはゆるやかに距離を確保できます。照明やコンセントは勿論、デスクとして使える棚板と、上部に枕棚も設置。背後には、オンライン会議の際に役に立つ、ロールスクリーンが設けられています。ロールスクリーンの奥には、布団収納があり、ハンガーパイプも設置されているので、収納としても十分な量を確保しています。

元々は書斎として使っていたツカノマを、出産を機に、子どもの遊びスペースとして利用したり、家事室にしたり、子どもが集中して勉強をする時期には勉強部屋として利用できます。そして子どもが巣立ち、部屋にゆとりができれば、収納スペースに戻して使うなど、ライフスタイルの変化に合わせて、使い方を変えることができます。
そこには、私たちフージャースの住まいに長年住んでいただく上で、ライフスタイルの変化に合わせた使い方をしてもらいたい、という想いが詰まっています。

お客様の日常を考えて生まれた「ツカノマ」。今後もお客様目線の住まいをつくり続けていきたいと考えています。

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