シェアハウス vol.04
―コレクティブハウスに子ども世帯と親が別々に暮らす
何回かにわたって書いてきたシェアハウスですが、こうしたシェアハウスに親子が一緒に住んでしまうというのはどうでしょうか。たとえ別々の部屋でも、ひとつのシェアハウスに住むのであれば、プライバシーも守られながら近い距離で親のケアができたり、他の人の目もあるので、自分がいないときでも、何かあった時にケアしてもらえたりと安心です。そうした親子が何人かいれば、離れた世代間の交流も進みますし、お互いが連携してサポートし合う関係も生まれそうです。さらにその親子から次の親子へと続くようになると、コミュニティー全体が時間軸を持ったつながりとなっていきます。
子どもの頃から一緒に育った場所に、大人になっても住むというのは気心が知れて楽でしょうし、一旦出ても気軽にまた戻れるような場所になるはずです。親子で近場に暮らすことを、最近では近居とも言います。核家族化と少子化が進み、親と子の住む場所が離れたこともあり、家族内での助け合いができなくなったことを解決するためにも、近居という住まい方はひとつの可能性です。
一方でこうした気心のしれたコミュニティーには、かつての日本の村社会のような強すぎる共同体のイメージもつきまといます。お互いが干渉しすぎると、かえって息苦しくもなるかもしれません。弱い連携と、居住者が入れ替わり立ち代わりできるような、ある程度の流動性が生まれる仕組みや、規模の設定も重要かもしれません。そして、人と一緒に住む時の人々の知恵と生活ルールなども緩やかにでも決めておくとか、またはコミュニティーをサポートするようなお世話係が必要なのかもしれません。人が一緒に住めば、必ず何かしら摩擦はおきるものです。その中で円滑な人間関係を構築していくためには、専門的な知見のある人がサポートしていくということはありそうです。強すぎない関係性と、しかし何かの時に連携できる一体感をどう維持していくのか。課題は多そうですが、お互いが助け合っていく社会を考えるのであれば、親子でひとつの場所に住むこと、プライバシーは確保しながらほどよい距離感で過ごせる親子が集うシェアハウスの可能性はありそうです。みなさんのご意見をお寄せください。
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