【結果】旅に関するアンケート
~日常と非日常の境界を探す~
今回は旅についてのアンケートです。新型コロナウィルス拡大の状況下で、今は旅どころではないという方も多いと思いますが、皆様の旅の思い出を振り返りつつ、旅の価値観を教えていただきました。
最近は、ホテルや旅館に限らずAirbnbなど宿泊の選択肢も増えてきました。また、どこにいても仕事ができる環境も整いいつつあります。旅がより自由に、気軽に行けるようになってきたのかもしれません。今回は旅と日常の境界線を考えてみましょう。
※ここでいう「旅」は、国内の旅、遊び、出張、帰省を指し、海外は含みません。
今回の結果では、ホテルや旅館に限らず、キッチン付きのホテル(サービスアパートメント)やAirbnb、民泊、ホステル(個室・ドミトリー)、定額制の宿(例:ADDress、HafH)といった、新しい宿泊形態を利用したことがある人が54.9%で、半数以上に及びました。
Airbnbは、2013年に日本でサービスを開始し7年が経過しましたが、今回の調査で19.1%の人が「利用経験がある」という結果となり、宿泊サービスの多様化が浸透していることが分かります。
また、「上記のような施設を利用する際、誰と一緒に利用しますか」という問いでは、複数回答ではありますが「友人」(44.1%)、「家族」(40.2%)に次いで「一人で」が33.3%おり、一人旅を実施している人が一定数いることもわかりました。
「じゃらん宿泊旅行調査2019」(リクルートじゃらんリサーチセンター調べ)でも、宿泊旅行の同行者を尋ねる問いで、「一人旅」(18.0%)が過去最高だったことや、今回のアンケートで共感度を尋ねる問いでも、「旅は一人で行きたい」と思う人が37.0%いるため、一人旅の需要があることが分かります。
次に、旅と日常の境界線について見てみましょう。
今回のアンケートの結果から、旅先では観光だけではなく、日常を求めている兆候が見えてきました。具体的には、「旅先で、非日常を感じるのはどのような時ですか」という問いで、「偉大な自然の風景を見た時」が83.8%に次いで、「目的もなくぶらっと町を歩く時」が56.6%だったことから分かるかと思います。「目的なくぶらっと歩く」という、観光ではなく、旅先の中での日常を求めている姿が、ここには表れています。
次に、旅と仕事の境界線です。「遊びに行っても、その間に仕事はするか」という問いでは、「仕事をする」が31.2%でした。また、「仕事はどこでもできると思うか」という問いでは、「仕事はどこでもできると思う」が57.3%と約6割ちかくになっていました。昨今のリモートワークの拡大によって、平日=仕事、休日=休みという曜日の概念の変化や、自分のパフォーマンスを最大化してくれる環境で働きたいという思いが、この数字には表れているのかもしれません。
以前、このコラムの「旅が暮らしを変える」(2020年3月27日配信)でも触れましたが、非日常だった旅が、働き方やサービスの変化で、日常との境界線が曖昧になりつつあることを、今回の調査でも感じる結果となりました。
昨今の状況を受けて、各社でリモートワークが導入されたことを考えると、新型コロナウィルスが収束した後の旅では、旅と日常との境界はより多様なものとなっていくでしょう。