駅前再開発ならではのモノづくり
街と人とつながる「ミッドタワーいわき」
【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手の思いや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができないエピソードを紹介します。
フージャースのモノづくりに対するこだわりを感じていただけるかと思います。
街の未来を築く再開発マンション
「ミッドタワーいわき」は、JRいわき駅前一帯の再開発事業の一つとして建設されたマンションです。住む方のことはもちろん、より魅力ある街にするため、街や人、再開発事業全体とのつながりを考えたモノづくりを進めました。そのポイントを、物件担当者が語ります。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
建築統括本部 松浦 純(まつうら じゅん)
駅前再開発の事業ということで、街の魅力を創り出し、住む人にとって特別な住まいとなるようなモノづくりをしようと考えました。
街の魅力を創りだす、新しい住まい

いわき駅周辺は再開発が進んでおり、「ミッドタワーいわき」は商業棟・住宅棟・駐車場棟の一帯開発の中の住宅棟にあたります。駅前再開発の一端を担うということで、通常のマンション計画だけではなく、いわき駅前をより魅力ある街にするため、再開発区域からはじまる生まれ変わる街づくりを念頭においたモノづくりをしています。このプロジェクトが新しく生まれ変わるいわきの象徴となり、単身の方や若いファミリー、シニアの方など、多世代がずっと快適に暮らせるコンパクトシティのはじまりとなることを目指しました。
モノづくりのコンセプトは「LINK 〜街と人とつながり、未来につなげる〜」。
再開発区域全体とのつながり、そこから生まれる人と人とのつながりなど、デザインやハードを通して住まう人だけでなく、地域ともつながれるモノづくりをしています。
再開発全体で考えるデザイン

外観のデザインも一帯の再開発とリンクさせています。
商業棟の設計は権利関係上、フージャースコーポレーションが直接かかわれる部分ではありませんでしたが、街の顔となる住宅棟と商業棟が全く別のものになってしまうと、せっかくの一帯開発が台無しになってしまうと危惧しました。
そこで、商業棟と住宅棟を同じようなデザインにすることを、再開発組合様はじめ、関係者の方々に何度も相談し、実現させていただくことができました。プロムナードの並木をモチーフに、マリオン※1で縦のラインを出すデザインに統一させ、また、1~2階の基壇部に住宅棟同様の白い大庇を同じ高さに設けることで、デザインが連なるように計画を進めました。
※1マリオン:建物の開口部に設ける垂直な部材

住宅棟のミッドタワーいわきは、21階建・216戸とボリュームのある建物になっています。ボリュームからくる重い印象を与えないように各住戸のバルコニーをグレイッシュな吹付タイルで一つ一つトーンを変え、グラデーションのように計画し、マッシブな印象の中に繊細さを持たせています。
約10mから生まれる居心地の良さと賑わい

新しく生まれ変わる駅前に賑わいを生むため、テラスや広場など、マンションの方だけでなく、街の人の居場所を作ることを考えました。居場所作りのためにチャレンジしたのが、マンション敷地内の5mと歩道の5mを合わせた、約10mの一帯デザインです。
この約10mはゆったり歩ける道というだけでなく、街の人々の新たな居場所となるような工夫をし、歩いて楽しめる街を目指して計画をしています。道をウェーブさせて植栽を植えたり、「縁側テラス」「おしゃべりテラス」などさまざまなベンチを置いたテラスを歩道沿いに仕掛けたりすることで、人々が滞留する場を作っています。建物の前の道は国道だったため、行政である福島県といわき市の協力も必要不可欠でした。植える木の種類やベンチの設置など、敷地内とリンクするデザインになるよう協議を何度も重ね、ご理解をいただきながら、協業して実現したものになっています。

街の賑わいや住む方の暮らしを彩るものとして、「もみの木広場」と「並木広場」という2つの広場も作りました。商業棟に隣接する「もみの木広場」は、駅から来た時の顔となるところで、街区のシンボルとなるもみの木を植えています。大きなもみの木は、大きなクリスマスツリーとしても活躍します。芝生やステージにもなる大きな緑台など、商業棟と連動しながら「ハレの舞台」となる空間作りを目指しました。

マンション前の「並木広場」は、日常の居場所となるような空間を目指しました。休日にはマルシェやファーマーズマーケットなどを開催して皆さんに楽しんでもらえるよう、水栓やコンセントをあらかじめ設け、ベンチや大きなステージを設置し、イベント開催を視野に入れたモノづくりをしています。
さまざまな人が暮らす、特別な住まい

シニアの方も安心して暮らせるように、シニア向けの住居も用意しました。バリアフリー仕様の床や浴室・トイレの手すりなど、フージャースのシニア向け分譲マンション「デュオセーヌ」に倣ったモノづくりをしています。
また、デュオセーヌで好評の共用部に発想を得て、シニアの方に限らず皆さんが心地よく過ごせる場として3つのラウンジとスタジオを設けました。メインのラウンジとなる「オーナーズラウンジ」の奥にビリヤード台を設置した「クラブラウンジ」、車寄せの前にはゆったり座って車の到着を待てる「ウェイティングラウンジ」、AV機器を備えた防音仕様の「マルチスタジオ」です。



特に、クラブラウンジは大人の社交場、マルチスタジオは映画やカラオケ、麻雀や囲碁などさまざまなことに利用できる空間になっています。緑の多い外の景色とつながるオーナーズラウンジと一部閉じたクラブラウンジを住まう方に使い分けていただき、日常の中にも、特別感を味わえる空間をしつらえています。
どの空間も、新しくなる街に建つ住まいとしての「別格感」(プライドを満たす物件格をつくること)を大事にしたモノづくりをし、ラウンジからエレベーターホールまで3.5mと高い天井を連ね、各ラウンジに表情を持たせることで、特別感・高級感を感じられるようにしています。
本物件は再開発事業の一環であることから、通常のマンションとはまた違うモノづくりとなりました。他の再開発事業と外観をリンクさせたり、若い方からシニアの方まで幅広い世代の方にご満足いただける住まいにするため、マンション内の暮らしを充実させるだけでなく、街とのつながりを考えたり、いつも以上に考えるべきところが多くありました。再開発組合様やいわき市、福島県との調整が必要でしたが、それぞれ協力を得られ、思い描いた通りの形にすることができたので良かったと感じています。
内覧会では、「何年も販売を待っていたんだよ」と言ってくださる方もおられ、駅前再開発の注目度の高さを感じました。4月には広場で街開きイベントを予定しています。それを機に随時イベントを開催し、本物件に住む方はもちろん、街の方にも楽しんだりくつろいだりしていただける駅前になっていければと思っています。

ミッドタワーいわき
※こちらの物件は完売しました
所在地:福島県いわき市平
交通:JR常磐線・磐越東線「いわき」駅徒歩3分
総戸数:216戸
階数:21階建て
竣工:2024年11月