道後公園ビューを最大限生かした「デュオヒルズ岩崎町レジデンス」
【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手の思いや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができないエピソードを紹介します。
フージャースのモノづくりに対するこだわりを感じていただけるかと思います。
目の前に公園が広がる高級邸宅街

「デュオヒルズ岩崎町レジデンス」は道後温泉からほど近い高級邸宅街に建つマンションです。その地にふさわしい格のある住まいにすると共に、目の前が道後公園という立地を生かすモノづくりをしました。そのポイントを、物件担当者が語ります。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
建築本部 甲斐 千尋(かい ちひろ)
道後公園前の高級邸宅街に建つマンションとしての品格を大切にしながら、希少な立地を生かす工夫をしました。
あえてセオリーに反して

「デュオヒルズ岩崎町レジデンス」が建つのは高級邸宅街として知られている松山市岩崎町。道後温泉から10分くらいのところにあり、目の前には国史跡でもあり桜の名所として知られる道後公園が広がっています。また、桜だけでなく、公園内に広がる四季折々の美しい景色を楽しむことができます。
半永久的に開放感のある眺望が得られる恵まれた立地でしたが、道後公園が東側に位置するため、建物をどのように配置するのかが最初に悩んだポイントでした。マンションは南向きに建てるのがセオリーで、本件もセオリー通りの南向きにするべきではないかという意見が当初ありました。しかし、やはり公園の眺望が重要な価値であると考え、どの部屋からも公園が見えるように東向きの配置にすることに決めました。「道後公園と向き合う」をコンセプトに定め、眺望を生かすことはもちろん、外観や共用部も公園を軸にモノづくりをしています。
公園にも都市にも調和するデザイン

右: 南西側の外観
公園との関係性をどうモノづくりに落とし込むかが今回の大きな課題でした。外観には特に気を遣い、公園と調和しながらも埋もれない存在感とは、どんなデザインなのか頭を悩ませました。デザイナーと協議を重ねた結果、角からの見え方を意識したデザインにすることにしました。公園を意識した北東側と都市を意識した南西側に切り分けてデザインし、公園にも都市にも調和する外観にしています。
公園に面する東側は、ガラス手すりの色を変えることで建物を1:2に分けたように見せ、公園に対しての圧迫感を抑えています。また、ガラス手すりは透明度の高いものを使うことで透け感とシャープさを出し、風景を映し出して周りと同化するようにしました。都市を意識した南西側はグレーの色味で統一し、縦のラインとモノトーンの素材でモダンなデザインを強調しています。
全体的にグレーでまとめたため無機質に見えすぎないよう、最上階の庇を木目調にすることで公園の自然な雰囲気を取り込みました。外壁も単調な印象にならないようコールテン鋼のような錆っぽい塗装を探し、風合いのある外観になるようにもしています。
モダンなデザインで差別化

エントランスは2層吹き抜けの開放感のある作りで、モダンなデザインにしたのが特徴です。周りの物件は高級感を全面に押し出したクラシカルで華やかなデザインが多い印象でしたが、本物件は高級感は出しながらもモダンなデザインとしました。公園との共生・調和という点でも、無駄なくシンプルなデザインが良いと考えたためです。

エントランスの外側には2層吹き抜けを生かした大きな壁を作ってアイキャッチにし、中から外に向かって光が漏れているようなデザインにしています。中のエントランスホールも吹き抜けの開放感を出したかったので、壁のガラス面を可能な限り大きくして、外の光と公園の緑をしっかり取り込めるようにしました。構造の都合上、ガラスの間の梁を細くすることは難しかったのですが、それを逆手にとってガラスを均等サイズに整えることで、少しだけ重厚感を加え高級感を演出しています。
外観のデザインとリンクさせることと、外の緑が映えることを狙って、エントランスホールの色はグレーでまとめ、天井は木目調にしました。

エントランスホールからエレベーターホールへと向かう通路の壁には、モダンなアートを置ける場所を設けています。開放的な空間からプライベートな空間へ、アートを見て心を落ち着かせながら歩いていける、ギャラリーのような場をイメージしました。
公園ビューだからこその間取り

最近のマンションは部屋の専有面積を狭くする傾向にありますが、エリアの特性や高級物件であることを加味して、本物件は広さをしっかり取ってゆとりのある間取りにしました。天井高は2m50cm確保しています。最上階は120㎡を超える広さに設定し天井高も2m70cmに上げることで、さらにプレミアム感を出しました。
公園側にある北東の角の住戸は、特に良い眺望が得られる作りにしています。2〜9階はコーナーバルコニーを、10階より上は北側にコーナーサッシのある部屋を設けました。

また、お部屋によっては、キッチンをバルコニーに対して垂直になるように配置することで、最大限眺望を得られるような家具のレイアウトができるようにもしています。
公園ビューが大きな特徴ですが、松山にお住まいの方は松山城が見えることも好まれます。松山城のある南側の住戸は、城の見える西向きの窓も大きめに取ることにしました。
眺望だけでなく、間取りでも選んでいただけるよう、広さと使いやすさを意識した部屋作りをしています。
希少な立地を生かした住まい
実際に購入された方からは、公園ビューに対して非常に高い評価をいただいています。公園の目の前ということが、やはり本物件ならではの価値であると改めて感じました。周りの物件とは一味違うモダンなデザインは受け入れていただけるか少し心配でしたが、その点も好評で、松山市にこれまであまりなかったデザインが良かったというお声も聞かれました。
東向きという配置や周りと違うデザインという挑戦もした物件でしたが、そのおかげでここにしかない住まいができ、イメージしたお客様に選んでいただけるモノづくりができたと思います。

デュオヒルズ岩崎町レジデンス
※こちらの物件は完売しました
所在地:愛媛県松山市岩崎町
交通:伊予鉄道市内電車「道後公園」徒歩2分
総戸数:34戸
階数:13階建て
竣工:2024年12月