新しくなる街も、歴史文化も楽しむ「デュオヒルズ盛岡中ノ橋ザ・レジデンス」

【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手の思いや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができないエピソードを紹介します。
フージャースのモノづくりに対するこだわりを感じていただけるかと思います。

 

歴史的な街並みと再開発の中で

「デュオヒルズ盛岡中ノ橋ザ・レジデンス」は、盛岡城跡など歴史的な街並みと新しい再開発エリアが共存する場所にあります。先進的な建物ができていく中で、あえて伝統的な歴史文化を活かしたモノづくりを心掛けました。そのポイントを、物件担当者が語ります。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
建築本部 前田 彬貴(まえだ よしき)

再開発で新たに街が生まれ変わる中、古き良き歴史文化を感じられるモノづくりをしたいと思いました。

 



再開発エリアとの差別化

盛岡は、The New York Timesの「52 Places to Go in 2023 (2023年に行くべき52か所)」の一つにも選ばれた、今注目の街です。
今回紹介する「デュオヒルズ盛岡中ノ橋ザ・レジデンス」があるのは、盛岡駅から徒歩30分ほどの場所。紅葉が有名で広々とした盛岡城跡公園が近くにあり、駅から歩くと情緒のある街並みを楽しめます。実際にはバスで駅に行き来する方が多く、この辺りの交通のハブとなるバスセンターが徒歩2分のところにあるのもこの物件の利点です。

バスセンターは2022年にリニューアルオープンしました。本物件の建つ中ノ橋通一丁目も再開発が進んでおり、今年の夏には新しい商業施設もオープンしました。本プロジェクトは、それらの先進的なデザインと対比をなすようなデザインにしようと考えました。盛岡の歴史文化が息づくエリアの特性を生かし、あたたかみや上質さを感じられる品のある建物を目指しています。

 

和のエッセンスを取り入れて

アースカラーを用いながら全体的に色のトーンを落とし、落ち着きとあたたかみを与えるデザインに統一しています。それに加えて、日本の建築に使われる和のエッセンスを取り入れて上品にまとめたのも特徴です。

外観は、水平のラインを強調した庇・スラブと垂直のラインを強調するマリオンで、障子の格子を思わせるようなデザインに仕上げました。バルコニーのガラスを黒いものにすることで、白いスラブを目立たせる工夫もしています。通常は建物の裏側となる廊下側も、住む方の帰宅時に目にする面となるためしっかり作り込みました。どの面も表となるような外観にしたのがこだわりでもあります。

 

アプローチから坪庭まで見える

本物件のまず一つ目の特徴は、道路からからエントランスまでの奥行きを約9mとったエントランスアプローチです。さらにアプローチの正面にエントランスホール、その先に中庭という配置とし、天井などで視線を遮らないよう気をつける事で、アプローチから中庭まで視線がまっすぐ抜け、坪庭の緑を敷地の入り口からも感じられる様にこだわりました。
奥行きに加えて立体感も感じられるように、敷地入り口には構えとして左右非対称に大きさの異なる石積みを設置し、建物入口手前では一度動線を曲げてアプローチをデザインしました。

植栽の潤いを感じてもらうというのもテーマの一つで、アプローチ沿いに高さのバランス等を考えた植栽を豊富に植えました。入口前のカーブ部分にはアイストップとして浮島の様に植栽を1本植えて、緑に囲まれ、見ながら建物に入るような導線にしています。また、アプローチから中庭の植栽の存在も感じられるようにすることで、建物全体に緑があることを感じられるような工夫をしました。
内覧会で「エントランスがかっこいい」という声が多く聞かれたので良かったです。

 

居心地の良さを追求して

二つ目の特徴は、アプローチの先にあるエントランスホールです。誰もがゆったりソファに腰掛けてくつろげるような空間を目指しています。安らぎを感じられる談話室のような場の象徴として暖炉も設置しました。
ラウンジで使う素材はシンプルな表情や表情の材料に絞って統一しすぎると、緊張感が出て落ち着かなくなることもあるため、今回はあえて多くの色や素材を使って、日常の落ち着きを感じられるようにしています。例えば、一般的に壁は1色か2色、空間全体で4種類くらいの色や素材でまとめることが多いですが、今回は暖炉の石、タイル調の壁、障子をモチーフにした光壁など、暖炉側の壁だけでも7種類くらいの要素を使用しています。ただ要素を多くするだけでは雑多な感じになってしまいますが、色や素材は違ってもトーンの統一や見え方のバランスをいくつもの素材サンプルを見比べながら決定することで、まとまりのある落ち着いた空間に仕上げました。

ソファにゆったり腰掛けた時に目に入る中庭にもこだわりました。石積みと植栽で周りを囲った形にすることで、外界から確立したような雰囲気にすると同時に、中庭の後ろにある敷地外の戸建を感じさせないという役割も兼ねています。中心には紅葉を1本植えて、季節の移ろいを感じられるようにしました。

中庭を含む外の空間がよく見えるように、エントランスホールの窓は最大限高くしています。この窓には中庭に出られる小さな扉があります。なるべく視界を遮りたくなかったので、メーカーと何回も打ち合わせをして、小さく細い取手や部材を選ぶなど、できる限り視界を遮らない工夫をしています。

 

さまざまな方に、さまざまな住まいを

当初はファミリー向けのマンションを考えていましたが、魅力あるこの街に住みたいと思う方はファミリーだけではないと思い、単身の方やご夫婦2人など多様な暮らし方に対応する部屋を提供することにしました。ファミリー向けの3LDKの部屋はもちろん、あえて40㎡台の小さめの部屋も作っています。
さまざまなタイプの部屋があることでさまざまな暮らし方に応えることができ、実際にそれぞれ想定したお客様に選んでいただけたので良かったと思っています。

 

デュオヒルズ盛岡中ノ橋ザ・レジデンス
こちらの物件は完売しました

所在地:岩手県盛岡市中ノ橋通
交通:「盛岡バスセンター」バス停徒歩2分、JR東北本線・東北新幹線「盛岡」駅徒歩26
総戸数:73
階数:14階建て
竣工:20245