【結果】留学生向けシェアハウスに関するアンケート
欲しかった暮らしラボでは、留学生向けシェアハウスをテーマに研究を進めています。今回はアンケートの結果を共有します。
今回のアンケートの回答者数は178人。留学期間は「1年」32.0%が最も多く、「2年」19.7%です。1年以上留学する人は、68.6%です。6ヶ月以内の短期の人は、31.5%でした。
国籍の属性は上位から、中国23.4%、台湾20.8%、アメリカ13.9%、韓国12.1%、香港10.4%でした。
またアンケートの実施にあたっては、留学生むけシェアハウスの運営会社と都内の大学の留学生にも協力を仰ぎ取得しました。対象は現在日本に留学に来ている人、または過去に日本に留学した人です。
アンケートの結果、「日本で家を探すときの条件の中から、譲れるもの(諦められるもの)」として、「家賃」59.6%、「立地(エリア)」53.4%、「通学時間」42.7%、「駅から家までの距離」41.6%と回答していました。
学校から住まいまでの距離については、学校から「30分以内」34.3%、「20分以内」33.7%で、通える場所で探したいという意見が多くありました。実際に座談会で伺うと、多くの方は、学業優先で特に留学期間が短いと、学校からの距離が優先されていました。
シェアハウスの環境については、「夜中でも近隣の音がうるさかった」は、そう思うが、24.1%。思わないが、57.9%でした。
「共用部(リビング・水回り・キッチン等)が汚かった」は、そう思うが、49.5%。思わないが、29.8%でした。清潔でないと考えている人が、半数近くいます。
「キッチンが狭く、十分な料理ができなかった」は、そう思うが、33.7%。思わないが、48.3%でした。
座談会で伺うと、実際には部屋にいる時間が多く、食事を作るのはシェアキッチン、食べるのは各自の部屋という人がほとんどでした。そのため、個室は清潔で静かなことが大事なようです。
また、あまり他の留学生とはコミュニケーションを取らないようです。中には、仲のいい友人ができた人もいるようですが、言葉の問題もあります。欧米人かアジア系か、つまり英語を使うかどうかが決めてのようです。また国民性もあるかもしれませ。開放的なラテン系の人の方が共有スペースにいる時間は多いようです。さらに分かったことは、日本では自分で作るよりも、コンビニの弁当を買って食べるほうが経済的な面でも、また簡便さの点でも他の国よりまさっていそうです。
アンケートでも座談会でも意見としてよく出たのが管理面です。
「ハウスルールが守られていなかった」は、そう思うが、49.4%。思わないが、38.2%。掃除の行き届いた、トイレやシャワー、キッチンなど、運営についてはさらなる向上が必要なようです。
「リビングやダイニングは1つずつではなく、複数あったほうがいい」は、そう思うが、46.7%。思わないが、32.0%。リビングやダイニングが複数あった方がいいという意見が半数近くいましたが、これを考える上では賃料も重要です。
「住まいを探す場合、いくらぐらいの予算で探したいですか」は、「8万以下」49.5%と半数近く、「6万円以下」20.2%でした。座談会で伺っていても、賃料は東京であれば7万円が上限のようです。また、共用空間の充実よりも、家賃を優先したい人のほうが多かったです。そうであれば共有空間についても面積の限界はあるかもしれません。
また、日本文化との交流についての問いでもポジティブな意見が目立ちました。
フージャースでは、京都の祇園祭の手伝いや東北で行うツールドイワキという自転車のレースのサポートをしています。開催場所までの無料送迎や宿泊もついたイベント運営のボランティアスタッフを募集していたら、あなたはこうしたボランティアに参加したいですかという問いでは、参加したい、68.0%。参加したくないが、23.0%。フージャースで行っている文化交流イベントについて、多くの人が興味を持ってくれたことも記しておきたいと思います。