【結果】移住に関するアンケート(2)年代別
欲しかった暮らしラボでは、移住をテーマに研究を進めています。
現在住んでいる都市の環境から、地方で自然の中で暮らしたいと考える人が増えています。地方移住や二拠点居住の増加には様々な背景が存在します。まず、コロナ禍による仕事の場所選びの変化が挙げられます。次に、自然の摂理に寄り添い、生命力を学ぶことが地方移住者の中で重視されているなどです。
しかし、その希望や目的は人それぞれです。そこで、地方に住みたいという方々の意見をお聞きしたくアンケートを実施しました。
移住に関心のある方に行ったアンケート結果は、「【結果】移住に関するアンケート(1)」(2024年5月26日掲載)の記事で紹介しています。
今回は、年代別に変化をみた第二弾です。
今回のアンケート結果から、30代から40代の人に変化の鍵があると考えました。
50代になると定年のために準備をするというのは大きく頷けますが、それ以前からも移住への願望はありそうです。つまりより若い年代に多様な状況が起きていると考えるべきでしょう。
「地方に住みたい理由」についての設問では、どの年代でもゆっくりとした時間の流れの暮らしをしたいと考えていて、このことは現代の都市での暮らしへのストレスを表していると考えられます。
またそれは、今の暮らしを変えたいという理想や願望と、現在の仕事に責任が起きていて簡単にはやめられない、または移住までの決心ができないという現実にも通じています。アンケートの中では、「地方移住に伴う懸念点」として、「移住先で地域に適応できるかどうか」として現れていました。移住したくても、実際に移住するまでにはハードルがありそうです。
さらには移住といっても、ある程度都会へのアクセスも良いところがいいと考えている回答者も多く、具体的な移住場所を挙げている人も、その理由として「今まで行ったところ」や「実家の近く」といった理由が多く、必ずここに移住したいという特定の場所はなさそうです。
移住後の住まいの面積を尋ねる設問では、40代、50代では面積が小さくなる傾向があり、50代では特に小さな家でもいいという人が増えていました。
「現在の仕事は、地方でも、または遠隔でもできますか」という設問では、40代、50代の人が、リモートではできないと答えている人が多くなっており、勤め先でより責任のあるポジションにつくことでリモートではしづらい働き方をする人が多くなっていることからかもしれません。
しかし一方で、30代、40代、50代では、移住後の仕事を問う設問で「新しい就職先を探す」が高い数値を出しています。
以上のように年代別から読み解けることは、1つは定年までの時間からくるリアリティの有無。2つは現在の仕事に対する責任感。さらに3つ目は移住した時の不安という3つの視点がありそうです。そして現代社会に対して多くの矛盾を抱える30代40代の人に、これらの問題をどうクリアしてもらうのかが、移住の課題としてはありそうです。